ディレーティング係数の考えかた

ヒューズに数千から数十万時間に及ぶ長い時間にわたって電流を流すためには,定格電流値に図Cに示すような温度によるディレーティング係数を掛けた電流値以下にする必要があります.
また,図C の(b)のように,常温(25 ℃)であっても係数が100 %未満,つまり常温でも電流を軽減する必要がある製品もあります.これを定格ディレーティングと言います.なぜ,常温(25 ℃)でも電流を軽減しないといけないのでしょうか?
その理由は定格電流の決めかたに起因します.定格電流は,各メーカの規格や,従う安全規格によって,次のような条件を満たす範囲で設定されています.

  1. 定格電流を通電したときにx 時間溶断しないこと
  2. 定格電流を通電したときの製品温度上昇がy ℃以下であること

そのため,「定格電流」と「長時間流すことができる電流」とは必ずしも一致しません.むしろ
長時間流すことができる電流<定格電流となっている場合のほうが多いでしょう.
一方で,「長時間流すことができる電流」は実際に通電試験を実施した結果から,各メーカの設定寿命に耐えられる値になっている場合が多いでしょう.
すなわち,ディレーティング係数は長時間流すことができる電流÷ 定格電流
ということになります.

〈高藤裕介〉

図C ディレーティング係数の例

「先進アナログ技術研究会」のご案内


現役エンジニアのための会員制技術コミュニティ「先進アナログ技術研究会」開幕

トランジスタ技術 for プロフェッショナル「アナログウェア」編集部では,小誌の強みを生かし,現役エンジニア1人1人が,ジャンルや企業の垣根を越えてつながる技術交流コミュニティ「先進アナログ技術研究会」を立ち上げます.
本会は,技術情報の収集はもちろん,製品開発のパートナ探しや製品PR,仕事のきっかけ作りにご利用いただけます.