突入電流のジュール積分値の計算の落とし穴②

前章のコラム「突入電流のジュール積分値の計算の落とし穴」では,突入電流の最後ではなく,途中で最も負荷率が高くなる事例を紹介しました.
ここでは,図Aのような突入電流の前半部分は電流値が低く,途中に大きなピークがあるような波形についての注意点を紹介します.
このような波形では,電流値の低い前半部分は時間ばかり経過して,ジュール積分値があまり上昇しないため,波形の最初(図A(a))から最後までを積分してしまうと,ヒューズのジュール積分値が急増する部分に差し掛かって,負荷率は見かけ上小さく
計算されてしまいます.一方で,電流のピーク手前(図A(b))から積分した場合は,?から積分した場合よりも負荷率は大きく計算されます.
実際にヒューズが受けるダメージは,電流のピーク手前(図A(b))から積分した場合のほうに近い値になるので,このように波形のピークまでゆっくりと電流が上昇するような波形には注意が必要です.

図A 突入電流パルスのジュール積分値とヒューズのジュール積分値

〈高藤 裕介〉

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