薄膜タイプと線タイプの耐パルス性の違い

ヒューズの溶断特性を決める要因として,ヒューズ・エレメントの放熱と熱容量が挙げられます.この関係を図Aに示します.
最小溶断電流(ヒューズを溶断できる最小電流)は放熱が重要となり,放熱が多いほど温度上昇が抑えられるため,最小溶断電流は高電流側にシフトします.
一方で,高電流領域(おおむね定格電流の10 倍以上)の溶断時間は短いため,ヒューズの放熱による影響が少なく,ヒューズ・エレメントの熱容量によります.ヒューズ・エレメントの熱容量が大きいほど溶断時間は長くなり,突入電流(瞬間的な大電流)に対する耐性が高くなります.
一般に同じ定格電流であっても,図Bに示すように,線エレメント・タイプの製品のほうが薄膜エレメント・タイプの製品よりもヒューズ・エレメントの断面積が大きく,熱容量も大きいため,溶断特性カーブの傾きが小さく,耐パルス性が高い傾向にあります.

〈高藤裕介〉

 

図A 溶断特性とヒューズ・エレメントの放熱性能および熱容量との関係放熱が多いほど,最小溶断電流は高電流側にシフトする

図B 薄膜エレメント・タイプと線エレメント・タイプの溶断特性の比較

放熱が多いほど,最小溶断電流は高電流側にシフトする.ヒューズ・エレメントの熱容量が大きいほど,溶断時間は長くなる

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