薄膜チップ・ヒューズの構造と消弧剤の第2の機能

薄膜タイプのチップ型ヒューズのなかには,図Bのような消弧剤をヒューズ・エレメントの周囲に配
置した構造もあります.この構造での消弧剤の第1の機能は,本文の第1-2 節で解説されているとおり,「ヒューズが溶断したときのアーク放電を切り離すこと」ですが,第2 の機能としてヒューズ・エレメントと外部との熱伝導を抑制する働きをもっています.
ヒューズの基板材料として使用しているアルミナ・セラミックスは熱伝導が非常に良いため,ヒューズ・エレメントが周囲の温度の影響を受けて溶断時間が変化したり,ヒューズ・エレメントの発熱が直接製品表面の温度の上昇につながったりして,安全規格を満足しない懸念があります.
そこで,熱伝導率が比較的低く,熱容量が大きい樹脂材料を消弧剤として用いることで,外部との熱のやりとりを抑制し,安定した溶断特性の確保と製品表面の温度上昇を抑えることができます.
〈高藤裕介〉

図B 消弧剤をヒューズ・エレメントの周囲に配置した構造のチップ型ヒューズ(松尾電機株式会社,KAB 型)

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